毎年秋ごろ「戸田市表彰」が行われます。今年は市政50周年ということで該当者の推薦を募っていますが、私は郷土史に当たる中で知った、金森誠之氏(故人)を推薦しました。
金森氏(1892-1959)は内務官僚で河川技術者。発明家、映画人でもあった多才な人です。戸田市の都市整備に大きな功績があり、今の戸田市の形は金森氏によってもたらされたと言っても過言ではありません。
1940年に開催が予定されていたオリンピック東京大会の漕艇会場として「戸田村」を提唱。同大会は中止となったが漕艇場計画は生き残り、後任者により「戸田ボートコース」として完成されました。また、戸田土地区画整理、荒川の水が菖蒲川に逆流するのを防ぐ「三領水門」排水工事などで中心的な役割を果たしたそう。急速に都市化する戸田市内で行われた三つの大事業を立ち上げ、短い期間で完成に導いたのは、金森氏の力に負うところが大きかったといわれます。
このように、現在の戸田市に多大な貢献をしたにも関わらず、その名は私たち市民の間にほとんど知られていません。戸田市の大恩人を顕彰し、後世に伝えていきたいと考えました。市政50周年という節目の年に、これほどふさわしい表彰受賞者は、私の知る限り他にいません。選定されるよう願っています。