私の大叔父について紹介するシリーズ第2回です。
大叔父の搭乗機(同型機)。
車輪は出たままの固定脚だった。
真珠湾作戦・発艦直前の空母上。
戦闘機・爆撃機が入り混じりひしめき合っている。
発艦する搭乗機(同型機)。
空母を後にする搭乗機(同型機)。
短い飛行甲板での発着は熟練が要った。
――― * ――― * ――― * ―――
祖母は生前よく大叔父のことを「かわいそうだ」と言っていた。
祖母にとってたった一人の弟の死に方が、よほど不憫だったのだろう。
祖母は、大叔父のことが書いてある記事(新聞、雑誌など)を全て大切に保存していた。
特に「少年倶楽部」誌(軍国少年のバイブルとされた少年誌)は多くのページ数を使って大叔父が家族に書き送った手紙や写真が掲載されたものだった。
家族宛の手紙は命を捨てるきっぱりとした覚悟に満ちたものであり、写真は二十歳前の若者とは思えない貫禄ある容貌である。
どこを切っても金太郎飴のように「強さ」しか出てこない、強さのかたまりのような印象を持った。赤ちゃんのころの写真までも掲載されていたが、それすら貫禄あふれる赤ちゃんなのだから、これはかなわんと思った。
(前回掲載の写真はどちらかというと飄々とした感じで、だいぶ印象がちがうのですが…撮影時期の違いか、または写真映りのせいでしょうか)
さて、大叔父は太平洋戦争の緒戦「真珠湾奇襲」に加わった6隻の空母の1隻「加賀」から攻撃隊の一員として出撃した。
攻撃隊はゼロ戦を主力とする戦闘機と、「艦攻」「艦爆」と呼ばれる爆撃機から成る。
戦闘機は敵機の撃墜や爆撃機の護衛、爆撃機は魚雷や爆弾の投下が主な任務である。
当時、世界最強の戦闘機「ゼロ戦」は一人乗りで軽量、搭乗員の練度も高く、次々敵機を落としたという。
一方の爆撃機は2人乗り(または3人乗り)で速度も遅く、おまけに敵艦にできるだけ近付いて魚雷や爆弾を落とすという作戦の性質上、危険度が高く、「運を天に任せる」ような部分があった。
大祖父は中でもとりわけ危険な「急降下爆撃機」の搭乗員であった。
急降下爆撃というのは、敵艦船に向けて急降下し、ぎりぎりまで近付いて爆弾を落とすという捨て身の攻撃で、当然ながら敵艦からの対空砲火の餌食になったり、また敵戦闘機に撃たれたり、急降下後の操縦ミス(機首の引き上げの遅れ)で海面に突っ込んだりと、未帰還率が高かったようである。
真珠湾作戦においては2次にわたる攻撃が行われ、不意を突いた1次攻撃に続く2次攻撃は、敵の準備が整った後であったため、特に未帰還が多く出たという。
大叔父は2次攻撃隊だった。
大叔父の搭乗機は「九九式艦爆」という当時の新鋭機だが、防弾性能が低く、流れ弾が一発当たるだけで火を吹くようなもろさであったこと、また対空火力も弱く、速度や操作性も戦闘機と比べて大きく劣っていたため「九九式棺桶」などと揶揄された。
防弾性能が低いのは、装甲を薄くし、防弾装置を省いて重量を減らしてスピードを確保する意図だそうだが、人命無視の設計思想はひどいもんである。
当時の爆撃機搭乗員で、終戦まで生き残った者はほとんどいないとのこと。
真珠湾攻撃隊の搭乗員は皆、自身が作戦から生きて帰還することは無いと考えていたようである。
大叔父はそれでも出撃し、実際、未帰還となった。
大叔父の最期については僚機による確認がされていないが、他の多くの未帰還機と同様、敵の対空砲火により致命的な損傷を受け、自爆攻撃を敢行したのではないかとされている。
(続く)
――― * ――― * ――― * ―――
本稿の作成を機に、大叔父の生涯を正確に知りたいと思い、現在厚生労働省に大叔父の軍歴を照会中です。
次回は省からの回答を待ち、掲載いたします。
2012年8月
大叔父について①
終戦記念日に寄せて、真珠湾に散った大叔父のことを紹介します。
――― * ――― * ――― * ―――
今日は終戦記念日。
戦争の悲惨さ、平和と祖国防衛の大切さをあらためて感じると同時に、一人の人物のことを強烈に思う。
その人物の名前は南崎常夫、私の祖母の弟(つまり大叔父)。太平洋戦争の口火を切ったハワイ真珠湾奇襲における、爆撃機の搭乗員である。
九九式艦上爆撃機による急降下爆撃の任務にあたり、未帰還となった。
大叔父とその愛機
上の写真は、最近発売された雑誌に掲載されていたものである。
写真で見る大叔父は若く、その表情はあくまで力強くふてぶてしく、剽悍な気配を漂わせている。
70年以上も前に亡くなったにも関わらず、私の心に大きな影響を与え続けるこの人物について次回以降、紹介したい。
12.6議会報告【駅前喫煙所】
駅近辺の喫煙所や歩きたばこについては、市民の方から頻繁にご意見を頂きます。
以前にウェブページでも記事として取り上げました。
(ご参考:「駅前の路上喫煙」)
担当部局や「市長への手紙」などにも多くのご意見が寄せられており、市政に対する不満の原因になっていると思われます。
世の中の流れは禁煙が優勢ですが、スペースや予算が許す範囲で、喫煙所の確保を行うのが基本であると考えます。
しかしながら、北戸田駅西口、また戸田駅東口の喫煙所は、歩道に面しており、歩行者の通行量も多いため、対策が必要であると思われます。
北戸田駅西口の喫煙所
戸田駅東口の喫煙所
北戸田駅西口の写真左端に立ってる方、また戸田の写真左端の植え込みに座っている方は、いずれも喫煙中の方です。
どちらの喫煙所でも、歩道にまではみ出して喫煙されているため、歩行者が煙を避けられない状態となっています。
私は、3つの選択肢があると考えています。
①喫煙所周囲の地面に枠線を引く方法。
枠線による分煙の例(田町駅の喫煙所)
簡便な方法ですが、喫煙者が白線の外側にはみ出すなど効果に限界があります。この写真でも、手前の方に写っている何人かは、白線の外側で喫煙しています。
②喫煙所の周囲にパーティション(仕切り)を設置する方法。
パーティション(仕切り)による分煙の例(後楽園駅の喫煙所①)
(後楽園駅の喫煙所②)
歩道の側だけパーティションを立て、歩道の反対側は②の写真のとおり緑地に向かって解放されています。
そのため、パーティション内の煙も思ったほどこもってはおらず、また歩道には煙の臭いはほとんどもれていませんでした。
実際、以前は苦情の絶えない場所だったようですが、文京区当局によれば、この方式にしてから苦情がなくなったとのこと。
ちなみに後楽園駅のパーティションは、JT(日本たばこ)の全額負担で設置をされたそうです。
③灰皿を移動(撤去)する方法。
数年前に、苦情の多かった戸田公園東口の喫煙所を、試行錯誤の末に撤去しました。
①、②などの方法で対処不能であれば、③も止むを得ません。
①~③の方法を、北戸田駅西口、戸田駅東口の各喫煙所に当てはめてみると、以下のようになると思われます。
北戸田駅西口:②パーティションを設置すれば解決するように思われる。パーティションを設置するのに十分なスペースがある上、歩道の反対側には芝生の広いスペースがあるので、そちら側を解放すれば煙もこもらないはず。
戸田駅東口:②パーティションを設置できればベスト。歩道側に立てて車道側に煙を逃がす設計が考えられる。スペース的に難しいようなら、③の移動も考えなくてはならない。
いずれの対策を実施するにしても、それまでの間は、①白線を引く、というのをお願いしたい。これなら道路課その他との調整も問題は少なく、予算も多くは必要無く、一定の効果は期待できます。
議会においては、写真入りの資料を配布し、上記のような試案を述べたところ、「検討します」という答弁がありました。
わが町の将来を左右するような大きな課題ではないかもしれませんが、市民の関心の非常に大きな課題です。
今後は実現へ向けてフォローしていきたいと思います。
――― * ――― * ――― * ―――
後日(8月1日)、戸田市主催の「ポイ捨て等及び歩行喫煙をなくす条例啓発キャンペーン」に参加しました。
その際、この行事にスポンサーとして参加されていたJT(日本たばこ)の方をご紹介頂き、戸田駅、北戸田駅の喫煙所の現状と、市民の関心の高さ、改善へ向けてのアイデアについて、現場を見ながらお話させて頂きました。
特に、後楽園のようなパーティションの設置をぜひ、、、とお願いしたところ、「市ご担当者と検討させてもらいます」とのコメントがありました。
JTの賛同が得られれば課題解決へ向けての大きな力になるため、今後の市当局の交渉に期待したいと思います。
6月議会報告【公立保育園の使用済みおむつ】
先日、公立保育園について保護者の方から話をお聞きする機会がありました。
その際に初めて知ったのですが、戸田市の公立保育園(全8園)では、園児がうんちやおしっこをした後の使用済みの紙おむつを(園では廃棄処理せず)保護者が持ち帰るきまりになっているとのことでした。
私は以前、保育所を運営する会社に勤務していたことがありますが、使用済みの紙おむつは園で捨てるのが当たり前だと思っていたので、こうした実態を聞いて大変驚きました。
(サービス面、衛生面のどちらの面から見ても考えられないことでした)
経験された方なら分かると思いますが、使用済みのおむつはビニル袋に入れていてもニオイがもれてきます。夏場に半日もたったらかなりきつい。
保護者の中には、もう慣れてしまって「何とも思わない」という方もおられるようですが、バスや電車など公共交通機関で帰る方、帰りに買い物をされる方などは特に、匂いが漏れるのが気になるという方も多いようです。
不便なだけでなく、衛生面も大いに疑問です。
オムツをビニル袋に入れて縛る場合、相当厳格な手順を踏まなければ、糞便の一部はビニル袋の外側に付着します。
ノロウイルスなどは100個以下のウイルスでも感染します。極めて微量であっても、ビニル袋に付着した糞便が乾燥すれば、ウイルスが空中を漂い、鼻腔や口に入って感染します。
使用済みおむつの置き場所も大きな問題です。
戸田市の公立保育園では、できる限りトイレ内に置き場を作っているとのことですが、そのスペースが確保できない園では、保育スペース内の園児のロッカー内に置いているとのことでした。
国のガイドラインでは、「使用済みおむつはフタ付きの容器に廃棄する」「使用済みおむつを保育スペースに置かない」となっており、現状はいずれも守られていないことになります。
実際、この件で上級官庁にヒアリングを行った際には、戸田市の現状について驚きをもって受け止められると共に、「使用済みオムツの持ち帰りや、保育室で保管しているなどは、基準や指導以前の話」と、半ばあきれられてしまいました。
近年多くの新型ウイルスによる疾患が登場しています。
今後、ノロやロタよりも感染力も毒性も強いウイルスが登場すれば、現在のおむつ処分のやり方では、ひとたまりもなく深刻な集団感染を引き起こすと思われます。
――― * ――― * ――― * ―――
さらに、その他の保健・衛生面での運営内容についても調べたところ、ありました。
・園児への投薬。保護者からの依頼があっても、一部の例外を除いて、投薬を行っていない。医師の処方薬であっても不可。
・園児の歯磨き。食後の歯磨きは実施していない。保育士さんが歯磨きをしているのを見て、園児が「なぜ自分たちは歯磨きをしないの?」と質問する場面もあったそう。
これら3点(①おむつの園内処理、②園児への投薬、③園児の歯磨き)のような「保健・衛生サービス」は、多くの私立園では実施されています。
例えば、市内にある私立の認可園(全11園)にアンケートをとったところ、3つの「保健・衛生サービス」は、いずれも11園中9園が実施をしているとの回答がありました。
上記のような「保健・衛生サービス」を実施しない理由を、市側は様々挙げています。①おむつ持ち帰りは「使用済みオムツを置いておくスペースがない」、②園児への投薬は「万が一の間違いがあってはいけない」、③園児の歯磨きは「危険である」など。
一方で、私立園はそうしたハードルを工夫により乗り越え、安全を確保し、サービスを行っているわけです。
公立園は(少なくとも、)私立園のようなサービスを導入できないか検討すべきですし、もし公立園に民間並みのサービスを実施する能力が無いようなら、運営を民間に委託すべきだと考えます。
議会における、上記のような指摘に対する答弁は、「衛生管理は適正に行っているが、質問の点は公立園のサービスメニューの参考としたい」という内容のものでした。
国の衛生ガイドラインが守られていないという重大事態に対して、全く切迫感のない答弁に戸惑いすら感じました。
特に、おむつ処理の件に関しては、冬季下痢症の流行シーズンまでには対応して頂くべく働きかけていきたいと思います。
おむつ処理の件も、投薬や歯磨きの件も、いずれも園児の健康に影響する保健・衛生分野の問題です。市当局の対応を求めていくつもりです。