財源逸失 ~3月議会【健康福祉委員会】~

以前に、福祉事業における国・県から市への補助金の「もらい漏れ」により、少なくとも1億円以上の財源逸失があったことを指摘しました。
http://www2.city.toda.saitama.jp/gikai/g07_Video_View.asp?SrchID=2644
(「1.補助金等の確保について」の中で指摘しています)
残念ながら、今回の記事も「補助金のもらい漏れ」による財源逸失がテーマです。

最近、学童保育に関する国の制度についてレクチャーを受ける機会があり、戸田市が受けられそうな補助金をピックアップして質問しました。

1.賃借料補助(学校敷地外の賃貸物件について、補助を行う)
・・・約300万円
2.送迎支援(児童が学校敷地外の学童保育へ移動する際に、地域の高齢者や主婦の活用を行った場合に補助を行う)
・・・約50万円
3.児童支援員等処遇改善(民間学童の賃金改善のため補助を行う)
・・・約160万円~290万円)

ところが、担当部局の答弁は「補助金の存在は知っていたが、応募はしていない」という、驚くべきものでした。
質疑の応酬の結果、次年度については応募の方向で検討いただけることになりましたが、今年度の「もらい漏れ」については取り返せません。

上記の3つは、民間学童に協力を求めている戸田市においては特に有用と思われます。
特に、指導員として雇っている職員の給料を安く抑えなくては運営していけない、職員の給料をもっと上げてあげたい、という声は多く聞きます。人件費に補充できる補助金が数十万円でも確保できたら、どんなに助かったことか!

それに対して、担当の「知っていたが」応募はしなかったという話は、あまりに冷たい態度です。
戸田市は民間の力を借りて、学童保育の充実を図っていく、という当面の方針がある。それにもかかわらず、民間学童の事業者からは、市の協力が得られない、という声を頂きます。

公立だろうと民間だろうと、学童保育において戸田市の子供たちが長い時間を過ごすことには変わりありません。
それならば、少しでもいい環境を提供し、遊びやその他の活動を通して成長の機会となるような場にしていくべきではないでしょうか。
そのために市当局には、民間学童とのパートナーシップの問題として、協力して良い学童保育を作り上げていく、少しでもいい話があればつないでいく、という態度が求められると思います。

本件については、健康福祉委の各委員の賛同が得られたため、山崎委員長の主導により、

「補助金の獲得に、もっと積極的に取り組んで頂きたい」

旨の意見のとりまとめを行い、担当部局の各位に口頭で伝達しました。

一般質問(3月議会)

3月議会が閉会しました。
今議会で私が行った一般質問は、下記3点。
1.口利き防止条例について
2.保育園における「食品添加物の使用抑制」「使用済みおむつの保護者による持ち帰り制度」について
3.戸田市で進みつつある教育改革のビジョンについて
特に、3において戸田市の教育行政トップである戸ヶ崎教育長が、これからの教育について、約40分にわたり大いに語りました。大所高所からの時代認識に始まり、変化の激しい時代に対応するために必要な能力の洗い出しと、カリキュラムへの落とし込み。また、それを実現する方法論。いまだかつて、これほど教育を語った行政トップはいないのではないでしょうか?
 大変ワクワクする内容の話は、下記映像をご覧ください。
 タブレットを使った授業風景
【タブレットを使った授業風景】
議会だより原稿を下に掲載します。
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「口利き防止条例の制定を!」
「不正は無い」
議員:口利き行為防止のために、行政への要望活動の記録と公開を定めた口利き防止条例が各地で制定されている。過去には戸田市においても問題が起こった。戸田市も検討を。

総務部長:不正の事例は無い。条例制定は考えていない。

「保育環境の改善を」
議員:①食品添加物の使用抑制②使用済みおむつを保護者が持ち帰る制度の廃止(園での処分に切り替え)が公立保育園で進んでいる。私立園においても実施を促してほしい。

子ども青少年部長:①公立園においては25年に議員からの質問を受けて削減を検討し、学校給食法より厳しい基準での対応に努めてきた。私立園に対しては、園長会議や栄養士会における啓発や情報提供を通して実施していく②公立園においては28年度から切り替える。未対応の私立園には、できる限りの対応を働きかける。

「教育改革の推進を」
議員:戸田市の教育改革ビジョンは。

教育長:今後10~20年以内に今ある仕事の49%は人工知能やロボットで代替される。社会の加速度的な変化に必要とされる問題解決力等の「21世紀型スキル」や協調性等の「非認知スキル」育成を目指す。

総括質問(3月議会)

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3月議会が閉会しました。今議会において私は、市議会会派「戸田の会」を代表し、総括質問を行いました。
(質問の映像は下記リンク)
議会だより原稿を下に掲載します。
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「市民医療センターの経営改革プランは破たん」
「大変重要な課題」
市民医療センター
【昨年15億円もの費用をかけて建て替えた市民医療センター】

議員 市民医療センターは、5か年計画の経営改革プランを実施したが、最終年度である次年度、計画では繰入金(※)1億3500万円のところ、実際には約4億円を必要とする予算となっている。経営改革プランは破たんし、市民医療センターの、経営改革の主体としての適格性に疑問が持たれる。今後、医師の確保や医療機器の更新が滞り、医療の質が低下することも考えられる。

市長 市民医療センターの収支改善と質の向上は大変重要な課題。経営形態について検討していく。

「防災対策、マンションの遅れが目立つ」
議員 マンションの防災対策が遅れている。防災訓練や防災物資の備蓄等の対策は不十分。市からはハザードブックや市広報などの資料すら配布されていない。このまま大地震が起これば悲惨なことになる。路線変更とギアチェンジが必要ではないか。

市長 NTT系「防災タウンページ」等の配布や、まちづくり出前講座を実施するなど、マンション住民の啓発を図る。

「待機児童への対応を」
議員 保育・学童保育の待機児童対策と、質の改善は。

市長 民間施設の新設を促していく。質改善については、保育施設への助言相談体制の強化や研修の受講等行う。

※繰入金:収支不足を補填するために充当される資金

戸田第一小学校・卒業式

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戸田第一小学校卒業式に出席。地域の大人代表として祝辞を述べる栄誉をいただきました。当日は小寒いながらも穏やかな日和、壇上から見た卒業生のみなさんは、とても落ち着いた表情でした。

祝辞は次のような話をさせて頂きました。
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空の色の青さ、雲の影の濃さも、日に日に印象深く感じられる、出会いと別れの季節を迎え、戸田第一小学校卒業生の保護者の皆様におかれましては、ご子息、ご息女の大人へのステップの中でも、格別に感慨深い通過点を迎えられましたことを、心からお喜び申し上げます。

さて、卒業生のみなさん、ご卒業おめでとう。皆さんはこの後、長い長い小学校生活を終え、戸田第一小学校を後にします。そして2度と、小学生に戻ることは、ありません。

皆さんの中には、一足先に受験をし、市外に進学する人もいるでしょう。
中学校やそこでの勉強に不安を感じている人もいるでしょう。
そして、多くの皆さんは、周りの友人との関係で悩んだり、気の合う友人ができないことに、悩んだりしていることでしょう。

これから先も、次々と悩みは訪れてきます。それは避けようがありません。しかも、大人になるにつれて、その悩みのハードルは、段々と高くなっていきます。

私が皆さんくらいの年齢のころを思い出してみますと、小学5年の時、引っ越しをきっかけに遊び仲間が減り、一人遊びをしようにも、家にはゲームも漫画もありませんでした。あったのは、本。両親が持っている、政治の本と医学、つまりお医者さんの本です。ほかにやることがない、というだけの理由で、毎日毎日、これらの本をめくりました。
月日は流れ、今の私の仕事は、政治と医学です。おそらく小学生時代に読んだ本が、私自身に何らかの影響を与えて、現在の私の生きるすべを、人生のすべてを、私自身に与えたのでしょう。その意味で、大変幸運な機会であったことになります。
しかしながら、当時はそれどころではありません。仲の良い友達と別れ、家でも放っておかれ、まともに子供らしくやることもない。不運な時期だったと言えます。

幸せも不幸せも、すべては自分の心の持ちようです。不運な出来事が、実は人生で一番幸運な出来事だったということもあるからです。大切なのは、幸運や不運を、いちいち喜んだり悲しんだりすることではありません。大切なのは、トラブルに見舞われても、簡単に投げ出さないということです。
トラブルに、正面から「どん」とぶつかっていくだけが、能ではありません。お父さんやお母さん、周りの人の力を借りてもいい、受け流すことや、時には逃げることも必要かもしれません。
トラブルを1つ1つ乗り越えることで、みなさんは少しずつトラブルに強くなるはずです。悲しい出来事や、つらい別れにも、耐える強さを、身に着けていくはずです。

反対に、ただただトラブルから逃げ回り、周りに力を借りることもせず、あるいはゲームやスマホ、悪い友達との交流に、逃げてばかりいるならば、その人の人生がどのようなものになるかは、皆さんにも分かるでしょう。

さあ、友達や先生、学校、そしてどんな時も父母に見守られた子供時代と別れ、未知の世界に臨む場面です。今は寂しくても、不安を感じても、上手に乗り越えることこそが、皆さんの強さに変わっていくのだと、信じてほしいと、願います。

皆さんがこの後、小学校生活で最後に歌う歌を、そしてこの後の人生における活躍を、私は、楽しみにまっています。

卒業生のみなさん、保護者の皆様、そして先生方、本日は本当におめでとうございます。
卒業式の門出にあたりまして、私からの祝辞とさせていただきます。
ありがとうございました。

戸田市議会議員 酒井郁郎