笹目中、公開授業(研究発表会)

笹目中学校で公開授業(研究発表会)があり、主にタブレット端末などのIT機材を利用した授業(ICT教育)と、生徒同士の教え合いを軸とした協調学習などの取り組みを見学しました。日常生活でもスマホを使いこなす中学生の皆さんは、IT機器を自然に使って授業を受けているように見受けられました。

12760

授業見学の後は、ITを活用した教育方法について、トップランナーのお二方(それぞれ任天堂関係者とグーグル社員)による講演会の豪華なおまけつき。

12761

公開授業、講演会を通しての感想ですが、ICT教育には効果と課題の両面が見て取られ、まだまだ発達途上の段階にあると感じました。

ICT教育の長所はもちろん、現代社会に欠かせないITを使用した作業に自然に慣れることができる点、また、ある分野においては授業や自習が効率的になる点などでしょう。

一方、画面を見ながらの作業は、どうしても発想力が必要なことには不向きであることや、プログラムされたIT授業はゲームのように面白いが、勉強における創意工夫が身につかないのではと思われる点、ひいては型どおりの作業であればできるが、型のない作業においては取り組むとっかかりすら作れない、ということにもなりかねないことなどが気になりました。

教育方法の開発に、ネット企業やゲーム関係者と組んでいる点も不安要素です。そうした企業は、自社のサービス利用者を増やし、自社サービスに依存した顧客(それが無ければ仕事、勉強、生活ができない人)を増やすことを考えるでしょう。義務教育においてそうした依存を助長することは、望ましくないかもしれません。

もちろん、諸々の不安要素については当然、先生方が配慮下さっていると思いますが。

 

いずれにしても、今後ますます社会全体のIT化が進んでいく中で、その流れに乗り遅れることなく、しかしITを教育に取り入れていくに当たっては適度な警戒感を忘れず、効果を上げつつ弊害を減らすことを意識していきたいと思います。