本問題をテーマとした最初のきっかけは、市民生活委員会視察でした。
京都市で自転車安全条例についてヒアリングを行った際に、放置自転車の撤去コストについてお聞きしました。
以前から、戸田市の自転車撤去コストが1台あたり約2万円かかっていることに疑問を持っていたため、良い機会だと思い質問させて頂いたのです。
その結果、京都市では「1台あたり1千円前後」であることを知りました。
京都市の自転車撤去
帰宅後、京都市・戸田市それぞれのご担当者と連絡を取り合い、下記のようなことが分かりました。
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●戸田市
・年間4000万円前後の予算で2000台弱を撤去
・撤去費用収入(撤去自転車の返還を受ける際に支払う料金。1台あたり2,100円)は年間80万円
→1台あたり2万円強をかけて撤去している
●京都市
・年間2億3千万円の予算で8万6千台を撤去
・返還費用収入のほか、未返還自転車(返還されなかった撤去自転車)の売却益などで1億4千万円の収入
→1台あたり1000円弱で撤去を行っている
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つまり、1台あたり20倍以上の費用をかけて撤去を行っていることになります。
分析の結果、次の3点に両市の違いが大きいと考えました。
①撤去委託料
●戸田市:年間約4000万円。月~金の6人体制。
●京都市:年間約7300万円。36人体制。夜間、土日も一部は稼働。
体制に比しての委託料金は、京都市の約3倍。
委託料の削減が可能と思われます。
②撤去自転車の返還料収入
●戸田市:20%弱。返還料は1台あたり2,100円。
●京都市:約65%。返還料は1台あたり2,300円。
返還率に3倍以上の違いがあります。
また、細かいようですが、返還料は京都市のほうが200円高く設定されています。
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戸田市は撤去自転車の保管場所が笹目7丁目(17号バイパスの向こう)と遠く、
「返還率は低く、返還料は低額」に設定されている。
京都市は撤去自転車の保管場所が駅前に確保されており、撤去を行った場所から近いため、
「返還率は高く、返還料は高額」に設定されている。
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…ということのようです。
ちなみに京都市の返還料(2,300円)がとくに高額ということはなく、他市の中には1台あたり3,000円に設定されているところも多くあります。
戸田市の場合は、撤去自転車を取りに行くのに大きな手間がかかるため、そのぶん返還料を低額に抑え、返還を受ける人の負担を調整しているとのことでした。
つまり、駅近の保管所を確保することにより、返還率を上げ、返還料の値上げを行い、返還料収入増につなげることができると思われます。
③撤去自転車の処分収入
現在、返還されなかった撤去自転車は、次のように無料で譲渡されています。
・状態の良い物は自転車商組合へ(→リサイクル用)
・状態の悪い物は衛生センターへ(→クズ鉄用)
一方、他市町村の一部では、撤去自転車の売却により、大きな収入を上げています。
・リサイクル業者向けの競売(京都市など)
・市民向けの競売会(松山市など)
こうした方法で、年間数百万円~数千万円の収入が上がっています。
1回1回の競売会の収益というのは、市予算と比べたら微々たるものかもしれません。
しかし、収益は直接市の収入になってくるので、検討していく価値があります。
少なくとも無償処分を改めて、有償の払い下げとすべきであると思われます。
ちなみに京都市では、撤去自転車の処分を競売に切り替えたところ、中古自転車を修理して販売するニュービジネスが生まれ、市収益に貢献しているだけではなく、リサイクルや産業活性化にも役立っているようです。
議会においてこれらの点を指摘し、事例を紹介しながら改善を求めたところ、担当部長から「検討する」旨の答弁がありました。
今すぐ改善するのが難しいのはある程度理解できますし、②の撤去自転車の保管場所移転などは、どちらが有利か収支の計算が必要でしょう。
しかし、同じことをするのに他市の20倍以上のコストがかかっていますので、その理由と改善策を早急に検討すべきであると考えます。
担当部長からは「検討する」という答弁がでていますので、今後の改善を期待しつつ検討内容を確認していきたいと思います。
2012年9月
9月議会報告(速報版)
昨日(9/26)、9月議会が閉会しました。
今議会に行った一般質問の概要について、議会だより用に書いた原稿を掲載します。
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「放置自転車対策事業の収支改善を」
議員:自転車撤去コストは戸田市の1台あたり2万円強に対して例えば京都市では1千円弱。20倍以上の開きがある。
委託料金の抑制など収支改善に取り組んではどうか。
質問中の酒井
市民生活部長:早急なコスト削減は難しいが、検討していく。
答弁中の市民生活部長
「非常時の給水について」
議員:断水への備えを強化する必要がある。
①各家庭における備蓄は、正しい方法で実施すればほどんど手間もコストもかからない優れた方法である。広報による呼びかけを強化してはどうか。
②マンションや公共施設などの貯水槽には、1か所あたり数十トンの水が常時貯留しているが、断水時には取り出せないため利用はできない。そこで、貯水槽にあらかじめ給水栓を設置しておくことにより、断水時でも利用できるようにする方法がある。非常に簡便・安価な方法であり、しかも大量の水を確保できる。
上下水道部長:①備蓄の実態調査を行い、また一層の啓発活動を実施し呼びかけたい。
②大変有効な方法である。十分検討したい。
答弁中の上下水道部長
議員:これら2つの方法はどちらもほとんど予算を使わずに大きな効果が期待できる。
非常時の備えは大切であるが、同じ効果ならばコストのかからない方法を採用してほしい。
その他の質問
Q:SNSを公聴や災害情報の発信手段として整備してはどうか。
A:重要な手段ととらえている。今後の課題として研究したい。