全国民必読書!?コロナと医療行政について

ごく最近(6/27)出版された「疫病2020(門田隆将)」という本。コロナ対策で日本人の誰もが感じたであろう謎が、分かりやすく解き明かされています。

5/3に、酒井が掲載した記事↓
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今言うべきことではないが日本の医療行政が問題だ。

検査件数や病床確保などの体制整備、感染防御やクラスター対策中心の古い基本方針、移動制限の実施時期、テクノロジーの活用等、世界のどの先進国よりも遅れていることに、多くの国民は疑問を持っているのではないか。
首相が正しい判断を行うための情報が上がっていない、あるいは首相の示した方針が実施されていない、という事例も多いように思える。
(以下略)
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なぜ日本の行政は、中国や韓国のようにコロナ対策が機能しないのか?なぜ中国では検査件数を1日に何百万件も確保しているのに、医療先進国の日本でそれができないのか?誰もが感じた疑問ではないでしょうか。

例えば、日本が中国からの入国をストップしなかったのは、①習近平来日を控えた中国への忖度と、②中国人旅行者減によるインバウンド消費への打撃配慮が原因、との報道でしたが、首相が政策判断をする際には必ず比較考量があるはず。コロナを過小評価した情報が厚労省からもたらされているに違いないと思っていましたが、そのあたりの事情や理由について。

また、医療行政が機能しないのは、国民の健康と命を守ることを使命としない、厚労省の風土が原因であることが解説されており、その改善は小手先の組織改革などでは到底ムリであろうことが推測されます。

さて、今回の新型コロナ対策失敗を契機に、医療行政の抜本的な改善が必ずなされるようにしなくてはなりません。
まちがっても感染研や地衛研、保健所の増強という、厚労省の権限拡大で終わらせてはなりません。

同時に、戸田市は市民の健康と命を守るため、国の方針とは関係無しに、できる限り独自に医療政策(コロナ医療に限らず)を評価し、方針を決めるべきであると、再度強調したいと思います。

会派レポートを発行【今回はコロナ特集】

会派レポート13号を作成しました。早速、多くの反響をいただいています。
今回のレポートはほぼ全てコロナ特集。緊急事態宣言の下、戸田の会としてできる限りの活動を行い、いかに結果に結び付けていったか、その試行錯誤の中から第2波に備えてどのような政策を実施すべきと考えたか等々、掲載しています。
密度の濃い活動の中から1つ1つ生み出された政策提言を、ぜひご覧ください。

【↓クリックでジャンプします】
https://todanokai.com/wp-content/uploads/2020/07/kaiha_report13.pdf

早速、下記のご意見を頂きました。
「東京新聞の記事に賛成。(今回のチラシの記事の中で)保健所の増強はコロナ対策の改善につながらない、という理由を教えてほしい。」

今朝の東京新聞の記事が添えられています。記者さんがいろいろと考えて書かれた熱のある文章ですが、単なる保健所体制の強化には賛成できません。

下記のような回答をお送りしました。
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国がやるべきことは、大まかにいえば下記です。
・(検査材料や検査の実施、発熱外来、コロナ患者の受け入れ、病床確保、その他の診療報酬の引き上げ/十分な補助の実施、参入障壁の撤廃をする等により、)製薬・医療材料会社、検査会社、民間クリニック・病院の参入を促す→検査件数、医療体制の確保が実現すると同時に、医療機関の経営支援にもなる
保健所は電話相談を受ける必要がなくなり、クラスター対策や事務作業に特化できる

国の動きは遅く、このままいけば緊急事態宣言当時と同じことが起こり得ますが、すぐに国を動かす方法はありません。
戸田市としてできることは、国をあてにせず対策をとることです。たとえば今回、戸田市はすでに検査1件あたり1万円、患者1人あたり1日10万円を補助する制度を作っていますが、これは医療機関が参入を決断しうる、十分な水準の金額設定です。今後は医療機関以外が検査キットを購入する際にも補助金を出し、医療機関以外の検査拡大も図るべきでしょう。

また、保健所職員の人数を増やせば職員の負担は減るかもしれませんが、それ以外は第1波と変わりありません。検査は受けられず、入院待機者があふれ、医療機関職員は疲弊します。
保健所で、新人の専門職員を増員したところで、第2波には間に合いません。事務職員であれば他部局からの一時的な移動で対応すべきと思いますが、これは通常のオペレーションと違いは無いと思われ、恒久的な保健所体制の増強というような話ではありません。
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今やるべきは、保健所の職員増のような話ではなく、あくまで検査件数、医療体制の確保が第一です。

医療行政の失敗は、人の命にかかわります。
本件について他会派のチラシで非難を受けていますが、強い風当たりがあるのを承知で提言したり記事を書いたりするのもそのためです。

コロナ医療の最前線に立つ医師の声

今朝(7/9)の朝日新聞(1枚目の写真)。日本最大のコロナ流行地域となっている新宿で、訪問医療を行う医師の記事。資材も調達できず、検査も入院先の確保もままならない状況のなかでも逃げることなく、高齢者中心に15人ものコロナ感染者を診療した立派な医師の声です。

やはり何といっても検査件数が確保できないことが、コロナ医療が停滞した1番の原因(2枚目の写真)。現場の医師の努力を見殺しにしないためには、天下り先の製薬会社や外郭団体の利権確保のために検査件数を犠牲にした日本の公衆衛生行政をどうにかしなければならない。

在宅医療の理想像は、「自分のことは自分でし、ここぞという時に医師に来てもらう」とのこと。これは在宅医療に限らず、医療全般に言えることだと思います。医師は、コロナをきっかけに、理想像に早くいきつくのではないかと予想しています(3枚目の写真)。
ITを使った社会の効率化やテレワークの推進などの話もありましたが、社会全般としてコロナをきっかけに良い方に変えていけるよう努力していきたいものです。

インフルエンザや風邪が増える秋から冬、検査をしなくてはコロナかどうかは分からない(4枚目の写真)。医療崩壊を防ぐことが至上命題であり、そのためには検査件数の大幅な拡大が最低限必要。
もちろん外来診療のみならず、入院や施設への患者・利用者の受け入れにおけるコロナ感染者でないことの証明のための検査、職員・利用者を含む医療福祉施設の関係者全員の定期的なスクリーニング検査など、地域医療全体として感染を防ぐためには迅速検査を気軽に実施できる環境が欠かせません。
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コロナ医療の最前線に立つ医療関係者から、さまざまな声が上がっています。その内容を今後の政策提言に生かしていくと共に、これまで調査した中から興味深いものを皆様にもご紹介していきたいと思います。