戸田第一小学校・卒業式

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戸田第一小学校卒業式に出席。地域の大人代表として祝辞を述べる栄誉をいただきました。当日は小寒いながらも穏やかな日和、壇上から見た卒業生のみなさんは、とても落ち着いた表情でした。

祝辞は次のような話をさせて頂きました。
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空の色の青さ、雲の影の濃さも、日に日に印象深く感じられる、出会いと別れの季節を迎え、戸田第一小学校卒業生の保護者の皆様におかれましては、ご子息、ご息女の大人へのステップの中でも、格別に感慨深い通過点を迎えられましたことを、心からお喜び申し上げます。

さて、卒業生のみなさん、ご卒業おめでとう。皆さんはこの後、長い長い小学校生活を終え、戸田第一小学校を後にします。そして2度と、小学生に戻ることは、ありません。

皆さんの中には、一足先に受験をし、市外に進学する人もいるでしょう。
中学校やそこでの勉強に不安を感じている人もいるでしょう。
そして、多くの皆さんは、周りの友人との関係で悩んだり、気の合う友人ができないことに、悩んだりしていることでしょう。

これから先も、次々と悩みは訪れてきます。それは避けようがありません。しかも、大人になるにつれて、その悩みのハードルは、段々と高くなっていきます。

私が皆さんくらいの年齢のころを思い出してみますと、小学5年の時、引っ越しをきっかけに遊び仲間が減り、一人遊びをしようにも、家にはゲームも漫画もありませんでした。あったのは、本。両親が持っている、政治の本と医学、つまりお医者さんの本です。ほかにやることがない、というだけの理由で、毎日毎日、これらの本をめくりました。
月日は流れ、今の私の仕事は、政治と医学です。おそらく小学生時代に読んだ本が、私自身に何らかの影響を与えて、現在の私の生きるすべを、人生のすべてを、私自身に与えたのでしょう。その意味で、大変幸運な機会であったことになります。
しかしながら、当時はそれどころではありません。仲の良い友達と別れ、家でも放っておかれ、まともに子供らしくやることもない。不運な時期だったと言えます。

幸せも不幸せも、すべては自分の心の持ちようです。不運な出来事が、実は人生で一番幸運な出来事だったということもあるからです。大切なのは、幸運や不運を、いちいち喜んだり悲しんだりすることではありません。大切なのは、トラブルに見舞われても、簡単に投げ出さないということです。
トラブルに、正面から「どん」とぶつかっていくだけが、能ではありません。お父さんやお母さん、周りの人の力を借りてもいい、受け流すことや、時には逃げることも必要かもしれません。
トラブルを1つ1つ乗り越えることで、みなさんは少しずつトラブルに強くなるはずです。悲しい出来事や、つらい別れにも、耐える強さを、身に着けていくはずです。

反対に、ただただトラブルから逃げ回り、周りに力を借りることもせず、あるいはゲームやスマホ、悪い友達との交流に、逃げてばかりいるならば、その人の人生がどのようなものになるかは、皆さんにも分かるでしょう。

さあ、友達や先生、学校、そしてどんな時も父母に見守られた子供時代と別れ、未知の世界に臨む場面です。今は寂しくても、不安を感じても、上手に乗り越えることこそが、皆さんの強さに変わっていくのだと、信じてほしいと、願います。

皆さんがこの後、小学校生活で最後に歌う歌を、そしてこの後の人生における活躍を、私は、楽しみにまっています。

卒業生のみなさん、保護者の皆様、そして先生方、本日は本当におめでとうございます。
卒業式の門出にあたりまして、私からの祝辞とさせていただきます。
ありがとうございました。

戸田市議会議員 酒井郁郎