今年も卒業式に参加。戸田第一小学校の卒業式は、いつもとてもすばらしい式で、卒業証書の授与も卒業生・在校生の歌も毎年感動します。
今年は地域代表として祝辞を拝命。1つのことだけを追求するのではなく、1つできるようになったらもう1つ、また1つ・・・とできることを増やしていくことで、人としての器が広がるよ、という我が師の言葉をテーマにお話しました。
正直言えば、私は中学校があまり好きではありませんでした。これから中学校に進むみなさんには、楽しくて有意義なことがたくさんあると良いなという思いをこめて、だいたい下記のような内容をお話させて頂きました。
よろしければご覧ください。
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祝辞
空の光、雲の影も日に日に印象深く感じられる、出会いと別れの季節を迎えることとなり、戸田第一小学校卒業生の保護者の皆様におかれましては、ご子息、ご息女の成長の中でも、とりわけ大きな、そしてとりわけ感慨深い節目を迎えられましたことを、心からお喜び申し上げます。
ご子息、ご息女が生まれた時の喜び、成長を見守る喜び、もちろんそればかりではなく、不安や葛藤も、数えきれないくらい感じてこられたと思います。今日ここに卒業生の皆さんをあらためて目の当たりにし、よくぞここまで育て上げてこられたと、胸に迫るものがあります。
さて、卒業生のみなさん、ご卒業おめでとう。いつまでも続くかの様に思えた、長い長い小学校生活を終えるに当たって、みなさんは何を思っているのでしょう?
私自身のことを思い返してみると、小学校を卒業するころのことは大変に印象深く、20年以上という長い年月が経った今でも昨日のように思い出すことができます。
特に、同級生の何人かが、自分で選んだ中学校へ進学するのを見て、「人生は人それぞれに違うのだ」ということに初めて気がついたのがこの時でした。これからどうなっていくのだろう、自分はこうしていていいのだろうか、という漠然とした不安感を持ったまま、春休みを過ごしたのを覚えています。
中学校では、勉強や部活など大変なこともありますが、楽しいことも多いと感じました。その1つが、活動の範囲が広がる、関わりあう人が増える、ということです。
たまたま入った部活が、一生続けていく趣味になるとか、そこで出会った人が、一生の付き合いになるとか、自分で選んだことが、自分の人生に大きな影響を与えるようにもなってきます。
そんな、人との関わり合いを通して、選び取っていく面白さ、人生のだいご味をたくさん経験していってほしいなと思います。
もちろん、先生方やご両親がおっしゃる通り、学校の勉強が大事なのは、言うまでもありません。
皆さんは、「二兎追うものは一兎も得ず」という言葉をご存じのことと思います。2つのことを同時にやろうとしても、うまくはいかないよ、という意味のことわざですが、皆さんはこのことわざを破ることができるでしょうか。
さあ、皆さんの新しい学びの庭に放された2羽のウサギ、1羽は学校の勉強であり、もう1羽は様々な活動を通しての友人との交遊であります。どちらのほうが大事ということはありません。どちらも大事であり、なおかつその両方がみなさんの将来に大きな意味のあることなのです。
みなさんは、2羽のウサギ両方を追いかけて、そして上手に捕まえて見せてください。
最初は難しいけれど大丈夫、頑張って続けてさえいれば、きっと上手に2羽のウサギを、それどころか、3羽も4羽も、追えるようになりますよ。
最後に、私は毎年、戸田第一小学校の卒業式に出席させて頂いていますが、私はこの卒業式が大好きなんです。
このあとのみなさんの巣立ちの歌も、そして、、将来の活躍も、楽しみにしています。
さて、結びにあたりまして、卒業生のみなさん、保護者の皆様、そして先生方、本日は本当におめでとうございます。
おめでたい卒業式の門出にあたりまして、私からの祝辞とさせていただきます。
戸田市議会議員 酒井郁郎