私は1度、菅直人氏を見たことがあります。
大学時代、高級ホテルのバーでした。
以前にも掲載しましたが、本に「人を観察するなら高級ホテルのバーが良い」と書いてあるのを読み、紀尾井町のホテルニューオータニのバーでバイトしました。
夕方出勤して、仕事が終わるのは2時。寝るのは3時。翌日の授業でよく居眠りしました。(反省)
当時はバブル崩壊後の大不況期。また、ちょうどイギリスのベアリング証券が倒産した直後(ディーラーがデリバティブ取引で大損こいたのを隠ぺい、ばれたときには取り返しのつかない額になっていたそうです。合掌。)で、ホテル内にベアリング証券のオフィスがあったのですが、そこの外国人社員が大勢、会社に出てきてもやることがなくて、日の高いうちからヒマそうに飲んだりしてました。
さすがニューオータニだけあって、有名人のお客が実に多かった。毎日何人かは、テレビに毎日のように出ているような人を見かけました。
芸能人も政治家も、ホテルのバーは安心感があるのか、どの方もリラックスしているように見えました。難しい問題をかかえているような政治家も、ここでは楽しそうに水割りを飲んでいました。
ある有名芸能人などは、大きな個室を借り切って誕生会を開催。手下の芸能人を小突きながら水割りを作らせていました。
派手なパーティーは、大不況のご時世にすごいなあと、単純に関心しました。
さてそんなある日、お店のマネージャーが興奮気味に、「菅さん来るよ、菅さん!」と耳打ちしてきました。当時の菅さんは薬害エイズ問題の処理で一躍名を上げ、国民的なアイドル政治家になっていました。私も「そんな人まで来るのか」とわくわくして待ち構えたのを覚えています。
さて、菅さんが来て一番高そうなVIPルームに案内されていきました。
マネージャーの計らいでVIPルームの担当にしてもらい、さりげなく観察しましたが、優しい雰囲気というか自然体というか、政治家オーラがない人だと思いました。
お連れさんと楽しそうに議論しては、VIPルームから出てきて「トイレトイレ」と厨房の方に歩いて行ってしまうので、「先生、おトイレはあちらです」と案内したりしました。
私はその時以降、今に至るまで同じような印象を持っていますが、、、世間では「イラ菅」とか「ちょっと切れすぎる人」とか言われてますね(笑)
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さて、そんな菅さんが総理に就任しました。
たたき上げでクリーンなイメージでもあり、また前の鳩山さんがひどかったせいもあるのか、支持率は高いですね。
これまでも多々繰り返されてきた総理の首のすげ替え。
小手先の人気取りを批判することなく、興味本位で面白がるだけのマスコミ報道。
国益につながるとは思えない選挙対策は、今回もまた効果を発揮してしまうのでしょうか?
(「どう転んでも、さすがに前の内閣よりはマシだろう」という)新内閣への期待とともに、脱力感を感じずにはおられません。