戸田中学校卒業式・祝辞

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3月に挙行された戸田中学校卒業式に来賓としてご招待を受け、祝辞を述べさせて頂いたところ好評で、知らない方からお褒めの言葉を頂いたり、祝辞のスピーチ原稿がほしいと言って頂いたりしました。
1年生議員であるサカイにとっては望外の評価で、何よりの励みになりました。
スピーチ原稿に手を加え、当日話した内容に近くなるようにしたものを掲載します。
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川の水の色も風の匂いも変わり、わが町・戸田にも春の気配がただよってきました。
戸田中学校卒業生の保護者の皆様におかれましては、ご子息/ご息女の成長の中でも、とりわけ大きな、そしてとりわけ楽しみな、節目を迎えられましたことを、心からお喜び申し上げます。
ご子息/ご息女が生まれたときの喜び、それからの成長を見守る喜び。もちろんそれだけではなく、不安や葛藤も数えきれないくらい感じてこられたことでしょう。
よくぞ、これほどまでに立派に育て上げられたと、感銘深いものを感じております。
併せて、ますます厳しくなる世の中に出て、太くたくましく生きてほしいと願わずにいられないものと、お察しいたします。
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さて、卒業生のみなさん。
春という言葉を英語で何というか、覚えているでしょうか?
正解は、「スプリング」ですが、スプリングとは、ご存知の通り「ばね」という意味です。木々の芽がスプリングのように飛び出してくることから、「春」という意味になったのだと、私も中学校の時に英語の先生に教わりました。
こうして向かい合ってみると、卒業生のみなさんは、可能性をたくさん蓄えているように見えます。自分で気づいているでしょうか?可能性で膨れ上がって、見ているこちらの方がドキドキしているぐらいです。
みなさんは、今なら、どんな人にでもなれる。どんなことでもできる。
そんな予感を、私は感じています。
みなさんは、例えて言うなら「限界まで小さく縮めたバネ」です。
大きくジャンプして見せて下さい。
そうは言っても、みなさんの中には、手放しで卒業を喜んでいる人ばかりではないでしょう。
私が中学校を卒業するころの気分を、20年たった今でも昨日のように思い出すことができます。
少しづつ、社会に押し出されていく不安さ。
それにも関わらず、自分が何になりたいのか、目指すものがなにもない頼りなさ。
、、、そうした心もとない気持ちの方を、卒業の喜びよりも、ずっと強く感じていたことが忘れられません。
今日、卒業されるみなさんの中にも、確固とした将来の目標がある、という方はあまり多くはないと思います。
そんなみなさんにとって、これから一番大事な仕事は「自分が将来、どんなふうになりたいのか」、つまり将来の目標を探し出すこと。これに尽きます。
目標がみつかれば、みなさんは目標をめざして、たくさんジャンプできるようになります。
また、もし目標が見つからなくても、目標を探し出す努力そのものが、みなさんを大きく成長させることになるはずです。
さて、みなさんが将来の目標を探しやすくするために、私の経験から、1つアドバイスを差し上げましょう。
それは、図々しくいくということです。
礼儀をわきまえずに行け、ということではありません。
正しい図々しさ。それは、礼儀正しく、さりとて恐れず、勇気を持って、いろんな人と話し、やりたいことをどんどんやる。
それを通して、自分の目指す将来像を見つける。これが、目標を探す近道です。
そして、どんな人と話す時も遠慮しないこと。一生懸命に話したら、だいたいの人は親切に聞いてくれるものです。
みなさんは若いんですから!ずうずうしいぐらいが、ちょうど良いんです。
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さて、戸田を愛する人間にとって、若いみなさんのがんばりは郷土の誇り。私たちにとっても本当にうれしいことなのです。
ですからみなさんが、これからの人生で活躍するために、最大限協力することを、私たちは約束します。
卒業生の皆さん、保護者の皆様、そして先生方。本日は本当におめでとう御在ます。
人生の門出である卒業式にあたり、私からの祝辞とさせて頂きます。
ありがとうございました。
戸田市議会議員 酒井郁郎