再始動!80年後の大構想【9月議会報告②】

6月議会で議会質問した、ボートコース水害対策の決定版「台風上陸前の事前放水」。翌7月、早くも県に対する申し入れがなされ、実現に向けた一歩を踏み出したことが分かりました。
スピード感のある対応がすばらしい。
そもそもボートコースは、80年前、金森誠之(かなもりしげゆき、内務省技師)による構想段階から、笹目川の洪水を防ぐ遊水池としての役割を兼ねたものとして計画されていました。年月を経て遊水池の役割は忘れられ、現在に至っています。昨年10月の台風19号上陸の際は、ボートコースの水があふれ、周辺地域に多大な被害をもたらしました。
遊水池として運用するには、国のダム政策と同様、台風上陸前にポンプを稼働してボートコース内の水を荒川へ放水し、水位を下げることが考えらます。しかし、これまでの常識では、事前放水などの水位調整はほとんどなされてきませんでした。7月の申し入れでは、ボートコースの水門を開閉し、水位を調整する対応の拡大が、実現に向けて動き出しました。
今後さらに、ボートコースにつながる三領水門を利用し、菖蒲川、ボートコースの水位をさらに下げることができれば、最大70万m3(25mプール2000杯分)という途方もない容積の水を貯留できることになります。今後、戸田市内全域に菖蒲川、ボートコースへの排水管等の整備を行っていくことで、戸田市はもう冠水に悩むことは無くなるかもしれません。
また、本計画はコストパフォーマンスが極めて高いのも特徴です。現在、市役所南通りに設置を計画している直径6mの地下埋設管1kmの貯水量は2.5万m3で、総工費は80億円。単純比較なら、菖蒲川、ボートコースの治水機能には2000億円の価値がある計算になります。この2000億円分は、施設整備の必要がほとんど無い、ポンプを稼働する電気代のみで得られる価値です。
今後はさらに、ポンプ稼働による事前放水や、ボートコース周囲の堤防整備についても、働きかけを行いたいと思います。