3/30(金)、PHP総研(地方政策シンクタンク)のセミナーに出席。自治体のITシステムについての授業を受けました。
(ちなみにセミナーの料金は1万円。全額が政務調査費=市費から支出されています)
セミナーの中で、韓国の事例が紹介されました。
韓国の法律では、国民が行政手続きで書類を記入したら、同じ内容は二度と記入させてはいけないのだそう。
また、税務・会計手続きも進んでいて、例えば確定申告は不要(行政のコンピュータが自動処理)。
確定申告書類を加入者に送付するのに、ニッセイ(日本生命)は年間30億円かけているそうですが、韓国の保険会社はそうした費用が一切かからないのだそうです。
一方、日本では手続きのたびに、同じような書類を何枚も書いたり、証明書を取り寄せたりしなくてはなりません。
私は以前に議会において、手続きの簡略化を求めたことがあります。
(ご参考:こんな活動やっています②【手続きの改善】)
例えば戸田市で保育園の申し込み手続きをするには、最低3枚(人によっては最大10枚程度)の書類を提出します。そのたびに子供の名前(その他に、生年月日、住所、電話番号、保護者氏名、同居家族…など)を書かなくてはなりません。
さらに驚くべきことに、私が議会で指摘するまでは、戸籍謄本・抄本を同じ市役所の別の窓口で450円を払って取得し、添付しなくてはなりませんでした。
日韓で人生のゆとりや企業の経営効率は大差がつくのではないでしょうか。
日本では、行政手続きに余暇を減らし、また企業のコストを膨らませています。
もし韓国のような大幅な手続きの簡略化ができれば、余暇が増え、勉強や趣味に時間を使えるようになります。消費も活発化し景気も上向くでしょう。
また、余計なことに企業のコストがかからなくなれば、法人税収、給与、配当がアップ。お金はより有意義に使われるでしょう。
日本の行政手続きの煩雑さは、即座に目に見える影響は少ないかもしれませんが、長年にわたってわが国の活力をむしばんできたのではないでしょうか。私はそう思っています。
近年、各分野で韓国の躍進が伝えられる一方、わが国は衰退の一途をたどっているように見えます。その原因の1つが行政効率の差であると思われます。
手続きが煩雑なのは、役所の内部事情のせいです。
1つの手続きをするのに同じことを何度も記入させたり、同じ役所内で取れる証明書を提出させるなどは、役所内の業務手順にムダがあるからです。
「お役所仕事」の言葉が示す通り、手続きの融通がきかないのは役所への不満の象徴です。
自治体が目標とする「市民協働」を実現したいのであれば、まずは市民の負担をできる限り軽減することが求められると考えます。