シリーズの最後に、反面教師として、他自治体の例を紹介します。2010年4月14日の産経ニュース(産経新聞のインターネット版)からの抜粋です。
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埼玉県志木市では今年度から小学6年~中学3年の女子児童・生徒を対象に費用全額を補助する。
栃木県大田原市が全額負担の対象としているのは小学6年の児童。接種率向上を目指し、市内23の小学校ごとに集団接種をする。
東京都杉並区は「中学入学お祝いワクチン」と称して新中学1年を対象に全額補助する。
(抜粋終わり)
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12月22日に発売された薬剤への助成を、新年1月に決めた志木市。必要な検討は十分になされたのでしょうか? (とてもそうは思えません)
集団接種で334人のうち329人が接種を受けた大田原市。ほとんどすべての児童が接種を行ったということですが、必要な情報提供、また接種対象者の主体的な判断はなされたのでしょうか?更には、集団接種をした場合の、接種を行わない児童へのいじめや誤解の問題を、どう考えているのでしょうか?
そして、杉並区。「中学入学お祝いワクチン」とは、何とふまじめな名称でしょうか。区民自身に接種を受ける、受けないの判断をしてもらう意思があるのでしょうか?
これらの自治体について、読者の皆様はどのようにご覧になるでしょうか。私には、マスコミの論調に流され、浮ついた気持ちで事業を設計してしまったようにしか見えません。
戸田市がこれら反面教師の後を追わないよう、我々市民は監視しなくてはなりません。
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さて、その後市執行部から、国が助成を決定した3つのワクチン(子宮頸がん、Hib【細菌性髄膜炎菌】ワクチン、肺炎球菌ワクチン)のうち、子宮頸がんワクチンだけを優遇する案が提示されています。
その案とは、
①子宮頸がんワクチンは全額補助、他は半額補助とする。
②子宮頸がんワクチンの、国が想定する対象者(中1~高1生)に加え、高2生も対象とする
…という2つの案です。
Hib【細菌性髄膜炎菌】ワクチン、肺炎球菌ワクチン共に効果が確認されており、また特別な危険性も報告されたという話は聞きません。つまり、それらと比べて子宮頸がんワクチンだけを優遇する合理的理由がありません。
本問題については今後、調査・報告を行っていきます。