私は今年度からの9月入学の導入に賛成ですが、皆様からもご意見を頂ければ幸いです。
当初、コロナ自粛により授業が受けられない高校生からの切実な要望をきっかけに、全国知事会の要望や経済界、首相からも前向きな意見が出るなど、機運が盛り上がりました。
調査会社が実施した「9月入学・始業」に対する生活者の意識調査(20~69歳の男女1,472人対象)によれば、9月入学・始業に「賛成」が47.8%、「反対」が18.4%。とくに、幼児(3~6歳)から中学生の子どもを持つ人では半数以上が賛成。
しかしその後、教育学者でつくる日本教育学会、公立小学校の校長が参加する全国連合小学校長会から、相次いで後ろ向きな声明が出るなど、機運は急速に後退してきたように思います。
教育界が前向きに協力して下さらなければ、導入にはふみきれないでしょう。
つまり、大まかに言って、教育界(学会・現場)VSその他社会全般(政界、財界、当事者(保護者・生徒))で意見は真っ二つに割れているといえます。
一番の問題とされているのは、次年度の小学生が4月~3月生まれ+翌4月~8月生まれの17か月分になってしまい、小学校がキャパオーバーになることのようです。
私の考えでは、1学年が17か月分(定員1.4倍)というのは無理筋。教室数、教員数とも大きく膨らみ、到底対応はできないでしょう。それが解決したとしても、高校・大学入試に無理があります。
例えば、下記のように5年に分散すれば、ほとんど問題はなくなるはずです。
2020年9月入学:2013年4月~2014年3月生まれ(12か月分)
2021年9月入学:2014年4月~2015年4月生まれ(13か月分)
2022年9月入学:2014年5月~2015年5月生まれ(13か月分)
2023年9月入学:2015年6月~2016年6月生まれ(13か月分)
2024年9月入学:2016年7月~2017年7月生まれ(13か月分)
2025年9月入学:2017年8月~2018年8月生まれ(13か月分)
2026年9月入学:2018年9月~2019年8月生まれ(12か月分)
その他の課題も、これまで何度も議論されています。
もちろん簡単な話ではありませんが、解決のための道筋は示されています。
現在、十分な教育を受けられず、またグローバルな教育を受けるのに不利な、児童、生徒のために、ぜひ迅速かつ真剣な議論のうえ、教育界の協力を得て9月入学の導入に踏み切ってほしいと思います。
写真は教育学者の試算。17か月分(定員1.4倍)の場合は大幅な教員不足、巨額の費用がかかるという記事。