12月議会報告

本日、12月議会が閉会しました。
議会審議、委員会審議の中から、目についたものをとりあげたいと思います。

・保育料の料金改定(値上げ)について
国の基準で提供されている認可保育園。その保育料は戸田市が定めており、所得の高い方ほど高い保育料を払っています。
戸田市は近隣自治体と比べて保育料が安く、認可保育園の運営には多額の税金が投じられています。また、年度初めには約300人の待機児童がでており、待機児童解消のための財源確保が欠かせません。そこで今回、高所得者で料金の値上げを行っており、最大で一人当たり9,000円の値上げが可決されました。段階的な値上げはやむを得ない部分があります。
公立の認可保育園では1か月に園児1人当たり30~50万円の費用がかかっているといわれます。それと比べれば、園児1人当たり最大約6万円の保育料は安いのですが、一度に9,000円の値上げは一般市民にとっての負担感がかなり大きくなると思われます。値上げに当たっては、十分な説明が求められます。

・戸田第一小学校の学童保育について
次年度から戸田第一小学校内の学童保育の定員が減少します。それに伴い、3年生以上の児童約50名は、学校敷地外の「こどもの国」内に立地する「こどもの国学童保育室」に移籍とし、対処することが可決されました。
「こどもの国学童保育室」は、施設が充実していることや、民間事業者のノウハウを導入したより良い運営内容などの利点が考えられます。一方、兄弟で利用している世帯は、「こどもの国学童保育室」と、従来の戸田第一小の学童保育室の2か所に迎えに行かなくてはならなくなる点や、学童保育室までの移動における安全確保など、課題も多くあります。実施に当たっては、事前に保護者からの意見聴取を行い、利用者の考えを反映すること、十分な利用者説明を行うことが求められます。

・障がい者就労施設の事業者選定
市内に複数ある障がい者就労施設は、5年ごとに事業者選定を行っています。今回の事業者選定にあたっては、初めて公募によるプロポーザル方式が採られました。
これまで私は、特に福祉事業者の選定にあたっては広く募集を行うことで、より良いサービスの事業者を求めるべきであるとの提案をしてきました。
https://sakai-ikuro.com/archives/2014/06/post_1158.html
(1.子育て・福祉施設の整備における事業者選定や補助の透明性確保について)
今回、公募方式とすることで、従来の事業者からも、より良いサービス提供に向けた新しい提案があったことや、これまでと比べて委託料を約10%抑えられたことなどの説明がありました。質の向上とコスト削減が両立し、取り組みは成功したようです。

保育園長懇談会、小学校長懇談会【健康福祉委】

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11月13日、17日の両日、健康福祉委員会の活動の一環として、保育所園長懇談会、小学校長懇談会を相次いで実施しました。

保育所園長懇談会では、市内にある約30か所の民間保育園の園長先生にお集まりいただき、小グループに分かれての懇談により、色々な新しい課題が見えてきました。

特に気になったご意見は・・・
1.認可保育園の入所基準について。兄弟でありながら、市役所から別々の保育園への入園を指示されることがある。保護者は送迎や行事参加が困難となる(本件はグループの園長先生全員(8名)が、強く訴える問題でした)。

2.防災について。避難先を視察したところ、避難経路の廊下や階段に物が置かれており、とても避難経路が確保できない。避難訓練をしようとしたところ、避難先に指定された施設から拒否された。また、台風の日の朝、開所時間を遅らせたい場合でも、市役所の指示によりいつも通りに開所させられ危険である。

3.公立園との扱いの格差。障がい児や外国人をあずかる際の保育士加配(人数を増やす)を認める基準が、公立園と比べて厳しい(公立園なら認められるところを、認めてもらえない)。市の施設を行事で使う際に、公立園の予約を優先的に受け付けるため、行事の予定が立たない。

・・・などです。

どのご意見にも、戸田市の子育て政策のもう一息な現状が現れていると感じられました。戸田市役所は、全体としては先進的な自治体だと思いますが、福祉分野や子育て分野などに改善の余地があると感じます。

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小学校長懇談会では、特に学童保育について、学校側の立場からご意見をうかがいましたが、ご出席下さった校長先生の全員から、下記のようなお話がありました。

1.「一人帰り制度」が危険。夕方7時までに迎えに来れない家庭は、保護者が承諾の上、一人で帰宅させる制度がある。季節によっては真っ暗な中、小学生が一人で帰ることになり、危険ではないか。

2.指導員の指導力が足りないため、不安で学校施設(体育館や図書室等)の利用を許可できない。

その他、小学校と学童保育の連携について、いくつか興味深いヒントを頂きました。委員会として取り組むべく、働きかけていきたいと思います。

会派報告会を実施

IMG_5119 (333x249)先日来フェイスブックページで告知していた会派報告会を実施。短い告知期間でしたが、20名弱の方がご参加下さいました。

会派代表の私と、ゲストの菅原県議のあいさつに続き、会派メンバー4名の小コーナーと、メインのテーマディスカッションを実施。

私のコーナーでは、戸田市の行政改革について。コスト削減や効率化などについて、これまでに取り組んできたテーマを紹介し、今後のポイントをお話させて頂きました。また、テーマディスカッションでは、前回の報告会で頂いたご意見を取り入れ、聴衆参加型で戸田市の課題についてご一緒にお考えいただきました。

実は当日朝、自身の3番目の子が生まれたため1日ドタバタでしたが、なんとか終えることができました。

参加者の皆様、雨の中ご来場いただき、大変ありがとうございました。

 

「戸田の会」会派レポート(第3号)を発行

「戸田の会」で定期的に発行しているレポートを発行、会派メンバーが駅頭配布するとともに、戸田市の全ご家庭に配布いたしました。

今回で3回目になるレポートの目標は、多くの皆さんに、市政の課題に関心を持っていただくこと。そのために、わかりやすく、読みやすい紙面を心がけました。

下のリンクからご覧ください。

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学童保育を視察【大田区】

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健康福祉委の委員会活動として、日帰り視察を実施。今回は委員会の年間テーマである学童保育の見学・調査を行いました。

学童保育は、放課後から帰宅するまで、小学生が毎日長い時間を過ごす場。人格形成において非常に大切な部分を担っています。現在の公立学童を改善する1つの方法として、民間委託により質の高い学童保育を行っている大田区の事例を検討することになりました。

大田区では、民間企業が校舎内の空き教室と特別教室(図書館や音楽室など)、校庭、体育館などのスペースを使用しての運営。月ぎめで申し込んだ生徒だけではなく、希望する全員が活動に参加できることになっています。活動内容は勉強、スポーツ、遊びなど多岐にわたっており、小学生の皆さんが元気に遊んでいます。委員の間からは、「戸田とだいぶ違うね」という声がでました。

写真はITを活用しての安全管理についてご説明頂いているところです。

学童保育に限らず、教育や医療などの分野は、民間委託になじまないようなイメージがありますが、それは分野によるわけです。民間のほうが良いサービスをずっと安く提供できる場合も多くあります。

戸田市の今後の行政改革においては、こうした分野の民間委託が大きなテーマになってくると思います。

市長に予算要望を実施

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私が代表を務める市議会会派「戸田の会」で、毎年恒例の予算要望を行いました。
予算要望とは、次年度予算の編成にあたっての会派の要望事項をまとめ、申し入れを行う活動です。戸田の会では市長に要望書をお渡しした上、内容について懇談の時間をいただきました。

今回、私からは特に次の2点についてお話させて頂きました。
1.市民医療センターについて。赤字縮小と機能向上を両立する、抜本的な経営改善を。
2.教育改革について。子育て支援とも連携し、ぜひやり抜いて頂きたい旨。
市長からは、どちらについても前進させていく旨のお話がありました。
戸田市政の重要なポイントになる2つの課題であり、改革については後押ししていく旨を申し上げ、市長室を後にしました。

今回の市長要望の内容は、下のリンクからご覧ください。
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議員の海外派遣、見直しを!

今議会では、議員の海外派遣への承認について採決に付され、私と私の所属会派「戸田の会」は反対の立場をとりました。

戸田市では例年、海外友好都市への議員派遣を行ってきました。しかし、毎年の大規模な議員団派遣は多額の予算を要すること、また他市町村にあまり類のない制度であることから、私は一貫して大幅な見直し(あるいは中止)を求めてきました。

平成 27 年度の中国開封市への派遣については、所属会派「戸田の会」を代表して派遣人数の削減等を求めたものの、実現の見通しが立たず、会派メンバーに呼びかけて派遣反対の立場(本会議の採決において 4 人の会派メンバー中、反対 3、退席1【※】)を取りました。

議員の多くは海外派遣に賛成していますが、本音では「今後は難しいのではないか」と考える人もいます。(2017年1月に改選が行われた後の)来期の議会においては、大幅な見直しが実現するかもしれません。

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さて、戸田市は今後の財政悪化が見込まれており、毎議会のように市民負担の拡大を求める議案が可決されています。かつて「増税の前にやるべきことがある」という標語がありましたが、行政は無駄な出費を抑えて効率化を図らなくては、市民負担の拡大に理解を求めるのは難しくなります。

もちろん議会もコスト削減の意識を持ち、議員特権と受け取られかねない事業は見直していくべきではないでしょうか。

【※】退席=棄権のこと

一般質問(9月議会)

9月議会が閉会しました。
今議会、下記テーマの一般質問を行いました。

「市民医療センターについて」
次年度は「市民医療センター経営改革プラン」計画期間の最終年度であり、今後に向けての評価が求められる。そこで、下記についてお伺いする。
(1)プランの進捗について。
(2)収支の改善について。
(3)市民医療センターの機能について。
市民医療センター
【新しくなった市民医療センター】

美女木地区の医療を担う「市民医療センター」。慢性的な赤字に加え、ここ数年は医師不足等による医療機能の低下が見られました。
そこで15億円を投じて建て替えを行い、近代的な施設にするとともに、5か年計画による経営立て直しを行いました。その結果、従来2億円程度だった繰入金(収支不足の補てん)が3億円以上に増大。早急に抜本的な経営改革が求められます。
特に、周辺医療機関との連携強化や住民ニーズに合わせた医療サービスを目指し、患者数を増やすことで収支を安定させ、赤字削減と周辺住民へのサービス強化を両立させることが考えられます。

ところで今回、最近では珍しく、議員席から多くのヤジが飛びました。質問しながら、だれがどんなヤジを飛ばしているか聞いていましたが、どれ一つとして質問の趣旨を理解した、的確なヤジはありませんでした。

映像を見ると、どの議員がどんなヤジを飛ばしているかまで、よくわかります。
気になる読者の方は、下記映像をご覧ください。
http://www2.city.toda.saitama.jp/gikai/g07_Video_View.asp?SrchID=2741
議会だより原稿を下に掲載します。
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「市民医療センターの経営再建と機能向上は」
「議員からの提案の実施は困難」

議員:市民医療センターは、長年にわたり地域の医療供給を担う一方、財政負担が生じている。平成23年に「市民医療センター経営改革プラン」を作成したが、収支改善は進んでおらず、ここ数年は医師不足その他の原因による医療機能の低下も見られる。そこで、収支改善と質向上の両立を目指し、次の提案をさせていただく。
①病院経営人材の招聘
②専門職人材の持続的確保に向けた、人事制度の改正、あるいは弾力的運用(つまり、経営人材や現場の医師、看護師等について、給与額、兼業規定、勤務日数や時間、勉強支援等、雇用条件を再検討すること)
③病院プロパー職員の採用による、スキルの蓄積(現在は市役所本庁との間を2~3年で配置転換)
④周辺医療機関との間における、地域連携ネットワークの強化
⑤医療圏の調査と、それに基づく診療科目の随時見直し
⑥医療センターが果たすべき役割の再検討、それへ向けた議論の活性化
⑦経営目標について、指標となる数値や具体策(アクションプラン)への落とし込みと実績の検証。これらの1年ごとの公表など過程の「見える化」。
以上、検討してはどうか。

事務長:提案の実施は困難。④についてはすでに実施している。
市長:提案については検討しながら経営改善を進める。

一般質問(6月議会)

 

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6月議会が閉会しました。
今議会で私が行った一般質問は、下記3点。

1.補助金等の確保について
2.がん検診の検査内容について
3.自殺対策について

1「補助金等の確保」について。戸田市において、国県補助金等のもらい漏れが発生している。特に、1億円以上の財源逸失につながった福祉事業における事例(私の指摘で是正)を取り上げ、今後の補助金確保のための対策について質しました。

2「がん検診の検査内容」について。市が提供するがん検診の中には、効果の薄いものがある一方、効果の見込めるものが検査対象外となっている。検査内容の選定理由やその基準があいまいであるため、見直しを提案しました。

3.「自殺対策」について。市内の年間自殺者数は、平成21年の37人をピークに、平成25年は20人、平成26年は16人と、激減しているが、状況は決して楽観できないと考えられる。今後の対策について提案しました。

無題
【自殺者減は、リストラ、失業等、中高年の経済問題の改善が要因か…好景気の今こそ、自殺対策の強化を!】

議会だより原稿を下に掲載します。
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「国県からの補助金の逸失防止は」
「業務の内容を把握し、確保に努める」

議員:国県からの補助金の逸失、つまり得られたはずの補助金が得られない事態が発生している。地域包括支援センター運営に対する国県補助金等においては、過去6年間で約1億円に上る逸失があった。本件は、H23年に私が一般質問で取り上げ、総合的に検討する旨の答弁を受けている。その際に対応していれば、少なくともその次年度以降の3年間、約五千万円については確保できたはずである。また24時間介護定期巡回事業においては、当て込んでいた補助金の確保ができず、当初予定の平成27年当初からの事業開始が後ろにずれ込む状況となっている。これら事例において、実際に大きな金額の財源逸失や、市民サービスへの悪影響が出ているにも関わらず、原因究明や今後の再発防止についての検討が不十分だ。財源厳しい折、同じことが今後も起こるのは防がなくてはならない。また、職員に対する啓発だけではなく、研修やデータベース化等、事例の共有により組織として取り組むべきだ。

福祉部長:業務の内容を把握し、確保に努めたい。

議員:市内の自殺者数が半減している。しかし、減少の要因は景気回復に依る部分が大きく、気を抜けば次の不況時に元通りになりかねない。警察や病院と連携しての対策強化など今こそ取り組むべき。

福祉部長:総合的に事業を推進してまいる。

残念、落選。

4/26(日)投票日の統一地方選に友人が、ある自治体で新人として出馬。私も先週の平日、選挙を手伝いに行きました。これはという面白い経歴の人物でしたが、結果は100票差もないような僅差の落選。開票が最終的に確定するまで当落は全く読めず、最後まで気を揉みましたが、最後は大変残念な思いでした。

選挙に当選しさえすれば、議員として身分が保障される一方、落選してしまうと、向こう4年間はやりたい仕事が1つもできなくなります。私の友人も、長期にわたり勉強や選挙準備を行ってきましたが、今回の結果で今後4年間の人生は天と地ほどの開きができたことになります。私も僅差落選の経験がありますが、その無念さは、味わったことのある者にしか分からないでしょう。選挙というのは政治家にとって厳しい制度であると言えるのではないでしょうか。

反対に、有権者の視点から見れば、全く逆のことが言えます。一票一票を積み重ねることで、政治家の顔ぶれを一変させられる。政治をがらっと変える可能性がある。その意味で、選挙は非常に良い制度だと思います。

先週の一週間、晴れの日かと思えば急に雨が降ったり、暴風雨が吹いたりと、天候の安定しない日が続き、選挙運動をするにも苦労させられました。お日様の下に住んでいる私たちは、雨が降ったり風が吹いたりの悪天候から逃れることは出来ず、そのたび毎に右往左往させられるわけです。

明日の天気は晴れでしょうか?雨でしょうか?

たとえ明日の天気は選べないとしても、明日の政治は選べます。私たちの一票一票を積み重ねることで、明日の政治は選ぶことができるのです。
決して政治をあきらめることなく、一票を投じることで、少しづつでもこの町の、この国の政治を良くしていこうではありませんか。