外郭団体の問題の一部については、数ヶ月前にブログに掲載しました。
(ご参考:3/23(金)戸田市の埋蔵金)
この記事を掲載した時は、主に「戸田市国際交流協会」という外郭団体(※)の2億円余りの「埋蔵金」についてのみ論じました。
(※外郭団体=戸田市が出資する団体のこと。「国際交流協会」は、正確には外郭団体ではないそうですが、分類上、大差ないと判断し、ここでは外郭団体に含めます)
3/23(金)に記事を掲載後、追加調査を行い、更に大きな問題の存在が発見されたため、議会での問題提起を行いました。
ここで一点、お断りしておきたいのは、「戸田市国際交流協会」の活動自体に疑問を呈しているわけではないということです。
多くの市民の方が協会の事業に協力し、ボランティアとして草の根の国際交流活動を行っています。協会の問題点を解消し、私たち市民が安心して活動できるようにすべきだと考えます。
下に、「戸田市国際交流協会」の(③、④については、その他の外郭団体も含む)問題点を挙げます。
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①議会からのガバナンス(※)が利いていない。
(※ガバナンス=組織における意思決定、執行、監督のシステム)
例えば、先月5月に実施された理事会と評議員会において、恒例のオーストラリアにおけるホームステイ先が、リバプール市ではなくシドニーに変更になった旨、またリバプール市との友好交流とは一切関係なく実施される旨の報告がありました。
つまり、戸田市の重要な国際交流政策が、市議会に諮られることも無く、それどころか報告もされず、変更されようとしている、ということになります。
市議会議員の理事や評議員もいますが、数名づつと少数ですし、理事会・評議会の開催の日時は5月半ばですので、議会の平成24年度予算審議にも反映しようがありません。つまり議会からのガバナンスが利いていないことになります。
②補助金の支払者である戸田市からのガバナンスも利いていない。
例えば、3月の評議員会で、評議員の1人から、協会の人件費率が高すぎるという指摘がなされました。あとから聞いたところ、市当局としても問題として認識しているとのことですが、いまのところ改善されておらず、それどころか、最近も人件費は上昇し、その分も含めた補助金を支払っていると聞いています。
(ちなみに、協会の人件費率は53%ですが、これを世の中の企業と比較してみますと、中小企業庁が発表するデータの中で、協会の業務内容に最も近いと思われる業種は「広告代理業」になると思われますが、その標準的な人件費率は19%です。3倍近い開きがあります。)
こうした意見がなぜ反映されないかというと、やはりガバナンスに問題があると考えます。
評議員会における「人件費率が高すぎるのではないか」という指摘ですが、それ以外にも評議員会当日、いくつかの意見がでました。
当時の定款上、「理事会は議決の前に評議員会の意見を聞かなければならない」となっています。しかしながら、それらの(主には協会にとって耳の痛い)意見は、直後の理事会では一切触れられることは無く、それどころか予算などの原案が承認された・されないという、基本的なことすら報告がなされませんでした。つまり、評議員会は開催だけはされても、理事会が意見を受けたことにはならなかったということです。
定款の最重要部分ともいえる、協会の意思決定過程に沿っておらず、内部統制が利いていないことが、評議員や市当局からの意見が反映されない一因であると思われます。
③外郭団体トップの問題。
外郭団体トップには市OBの方が在籍しておられます。それらの方は、市役所内部を知り尽くしているだけあって、市とうまく連携を取り、事業を推進されていることも多いのではないかと想像します。その意味で、私は市OBが外郭団体に再就職することに、必ずしも反対ではありません。
しかし、もし仮に、市OBが外郭団体側に有利になるよう積極的に動くとすれば、かつての部下や後輩である現役職員は、業務の発注者として、かなりやりづらいだろうと想像します。
具体的な内容は伏せますが、ある外郭団体に在籍する市OBが市役所内部の会議にまで出席し、頻繁に発言するという事例が見られました。担当職員によれば、「出席させるべきではない、ということは分かっていても、むこうが出席するというものを断るわけにもいかない」とのことでした。
この例のようなことが日常的に起こっているとすれば、市OBが役所内の会議にまで出席し、所属する外郭団体の権益を守るべく政治力を発揮しているのが現状であるということです。
これでは、市から外郭団体への業務委託の適切性に疑念が生じるのはもちろんのこと、市OBの外郭団体への再就職という慣例自体が適切であるかどうか、ということにも関わる問題だと思います。
④理事会、評議員会のメンバー構成の問題。
理事会や評議員会は、株式会社における取締役会に当たる大切な機関です。
しかしながら、理事や評議員はアテ職(ある団体の役職が外郭団体の理事・評議員を兼任するとして、自動的に決めらえれている)や市OBが多く、内部統制の役割を果たしていないのが現状です。
理事会・評議員会は形がい化し、本当の課題が議論されないということが起こっていると思われます。
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これらの問題は、3月以降、苦労しながら調査してようやく分かってきたことです。
その他にも、3/23(金)戸田市の埋蔵金で指摘した2億円余りの「埋蔵金」についても、新事実が判明しました。
次回の記事で、この点について明らかにします。