6月議会報告(速報版)

6月20日に議会の全日程が終了。
今回も一般質問を行いました。
① 地域包括支援センターの運営について
② 無料低額宿泊所(いわゆる貧困ビジネス)について
③ 9月の自殺予防週間について
④ 震災対応、特に小中学校等における対応について
どの件も、市当局の今後の対応を確認していきます。
速報として、議会だより用に書いた原稿を掲載します。
(なお、④については、議会だより原稿には掲載していませんが、震災直後の登下校や引き渡しにおけるトラブルを指摘し、改善を確約頂きました)
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在宅介護の支援体制――早期に再検討を
酒井:地域包括支援センター(※①)を中心とした在宅介護支援体制につき、早期に再検討願いたい。特に、直営のセンターを委託方式に切り替えることで数千万円の市支出削減と機能向上の両立が期待できる。
【↓議場で配布した資料】
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(PDF:39KB)
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(PDF:47KB)
福祉部長:次期の介護保険事業計画(※②)の策定に合わせて検討したい。
無料低額宿泊所(※③)について
酒井:市内に無料低額宿泊所等が点在し、問題が指摘されてきた。先月告発された虚偽の求人により勧誘を行い生活保護費をだまし取る詐欺行為の他、運営者の脱税や不明朗な会計処理による利益処分、生活保護費の強制徴収やそれを実行するための施設利用者の軟禁、預金通帳の管理などといった問題が発生している。
原因は、制度の不備や国・県・市による責任の押し付け合いであり、入所者のほか近隣住民、納税者が不利益を受けている。基本情報の集計を行い、それを元に国・県に対し強く要望すると共に、市でもある程度の負担増を覚悟し、実効性ある自立支援を模索すべきではないか。
【↓議場で配布した資料】
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(PDF:152KB)
福祉部長:施設入所者の状況把握に努め、自立を支援してまいりたい。
自殺対策について
酒井:震災の影響による自殺者増が懸念される。9月の自殺予防週間に合わせたキャンペーンを計画願いたい。
福祉部長:自殺予防に関する講演会や市広報での特集を行う。
教育部長:図書館に特設コーナーを設ける。
※①「地域包括支援センター」:主に在宅介護や介護予防を担う機関。戸田市内には3ヶ所ある。
※②「介護保険事業計画」:3年ごとに定められる計画。次回は24年4月に策定予定。
※③「無料低額宿泊所」:民間事業者によるホームレスの宿泊施設。

選挙に行こう会⑩【今後の活動】

前の記事(選挙に行こう会⑨【雑感】)の中で、市選管に対して「まずは啓発活動の効果測定から実施してみてはどうか」という提案をしたところ、反応は鈍かった、と書きました。
非常に大切な活動であり、効果も大きいので、このままいけば今後も選挙のたびに活動することになりそうです。
とはいえ、私個人の力ではマンパワー、金銭面ともに限界がありますので、協力者を募って大きな流れにしていきたいと考えています。
また、市内だけではなく全国的な活動にしていくことも考えています。
先日の活動中には、数名の若手代議士が視察に来られ、同様の活動を政治活動と関係なく実践したい旨、言っておられました。
私からは協力を惜しまない旨申し上げ、資料の提供などを行いました。
更に、他市町村の政治家が集まる場では積極的に今回のキャンペーンの内容や効果を紹介し、他市町村での実施についても極力協力する旨、宣伝して回っています。既に何人かの議員さんから、「自分の町でも実施したい」、「もし他の自治体で実施する際は参加したい」などの申し出を受けています。
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今後の日本再生のためには、政治家の資質向上が不可欠。そのためには有権者の意識向上が欠かせません。
まずは有権者に投票の習慣を付けて頂く。何度となく投票を行ううちに、政治家を選ぶ目が肥えてくるというものです(政治家を選ぶのもトレーニングが必要ということです)。
もちろん、「キャンペーンを見て、なんとなく投票に行く人が増えたところで、政治家の質が上がるのか」という疑問を持たれる方も多いと思いますが(私も以前は、そう思っていました)、いやいやでも投票に足を運んだ人の大部分は、真面目に政治家選びをするという調査結果があります。
投票率向上キャンペーンでの活動を通して、私の大きな目標の1つ、「依頼ベースの選挙から、説得ベースの選挙へ」という変革を実現できたらと考えています。
※「依頼ベースの選挙から、説得ベースの選挙へ」:以前に元三重県知事・北川正恭氏の講演で聞いた言葉です。
依頼ベースの選挙:一票下さい、という「お願い」や、選挙カーで名前の連呼をするなどの選挙活動。こうした活動のみで議員の質を見るのは困難と思われます。
説得ベースの選挙:政策やその実現手段を広報する選挙活動。

選挙に行こう会⑨【雑感】

①キャンペーンへの反応について
駅頭、スーパー前での活動中、最も多かった反応は「もう行ってきました~♪」。
次に多かったのは「どこに行ったら良いんですか?」「手ぶらで投票できるって本当ですか?」のような質問でした。投票のやり方が意外に知られていないと感じました。
(投票ハガキを持っていかなくても、身分証明書なしで投票ができます。意外ですね)
投票のやり方は、選管に周知を徹底して下さるよう、求めたいと思います。
本キャンペーンに対しては、多くの方から激励やお褒めを頂くと共に、苦情も1件だけですが頂きました。
チラシの表現やスピーカーを使っての活動に不快感をお持ちになられた方もいらっしゃったかもしれません。お詫びいたします。
②市選管による選挙啓発について
選挙啓発予算は、1回の選挙あたり50万円程度。配布するグッズや横断幕、庁用車に貼りつけるマグネットなどに使われます。これだけのお金を費やしながら、投票率向上に大きく役立った、という話はあまり聞きません。
効果がでているのかどうか分からない。効果を測定することもしない。毎回毎回、選挙があるたびに、何となくいつもと同じ啓発活動をしているように思われます。
市選管に対しては、まずは効果測定から実施してみてはどうか、という提案をしてみましたが、反応は鈍いようでした。

ちょっとブレイク3【秘密兵器と自粛の件】

埼玉県議選は、まさに花粉のシーズン。
今年の花粉はいつもの10倍とかで、花粉症の私には苦しい時期でしたが、まさか「花粉がひどいからお休み」というわけにもいかず、お聞き苦しい鼻声での街頭活動となりました。
そんな私に心強い味方が♪
それは…
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鼻栓!
メーカーによれば「フィルターが不織布でできており、細い糸状のパーツは鼻毛の役割を果たす」だそうです…
よもやこんなグッズのお世話になろうとは!(泣)
もう1点、以前の記事の中で、
今度の県議選は震災の影響で、「県選管(選挙管理委員会=選挙を行う部局)が選挙啓発を“自粛”している」という、真偽不明の話がありました。
(なかしま議員によれば「真」、市選管によれば「偽」とのことでした)
(ご参考:選挙に行こう会②【キャンペーン実施のいきさつ】
それについて、後日裏付けの記事を発見。2011年4月17日の東京新聞(朝刊)です。
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県議選投票率は全国最低 「汚名返上」なるか
統一地方選後半戦の行田、北本市長選と十九の市議選は十七日、告示される。東日本大震災と福島第一原発事故を受け選挙運動の自粛ムードが広がった前半戦は、県議選の投票率が過去最低の39・54%で、四十一道府県議選の中で唯一30%台というワースト。県選管は「都内に通勤する“埼玉都民”は地元選挙に関心が薄い」と言うが、啓発事業の一部を自粛していたことが判明。上田清司知事は会見で「啓発が選管の仕事なのに、存在意義が問われる」と苦言を呈した。
(以下略)
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選挙啓発活動、つまり選挙の実施を宣伝し、投票率アップを図る活動を「自粛する」という、意味不明なことが行われていたことが判明しました。
県選管が機能不全に陥っている中で、それに代わって選挙啓発の役割を果たすことができたことを誇らしく思います。
国や県をあてにせず、自分たちの地域で本当に必要なことを自分たちの力でやる。
これができれば地方分権が進み、わが国の再生も促されるでしょう。

選挙に行こう会⑧【メディアからの取材】

本キャンペーンが、早速記事になりました。
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掲載されたのは、日本経済新聞社の雑誌「日経グローカル」2011年5月2日号。
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目立つ場所(巻末コラム)に、大きく取り上げて頂きました。
「現場から」というコーナーに「国民運動で投票率アップ・それが議会改革の第一歩」という見出しで記事になっています。記事の内容は、投票率向上キャンペーンの方法や効果、今後の活動などです。
「日経グローカル」は、一般にはあまり知られていませんが、地方議員を始めとする自治体関係者の間では非常に有名な雑誌です。
自分がいつも読んでる雑誌に取り上げられ感激!励みになりました。
その他にも新聞、雑誌の取材がありましたので、そのうち記事になるかもしれません。

選挙に行こう会⑦【キャンペーンの効果】

今回の記事では、投票率向上キャンペーンの効果を検証したいと思います。
今回のキャンペーンによる効果:
埼玉県全域の平均投票率(H19)43.7% ⇒ 今回39.5%(4.2%ダウン)
戸田市全域の平均投票率(H19)39.9% ⇒ 今回40.5%(0.6%アップ)
芦原小地区の平均投票率(H19)28.7% ⇒ 今回35.1%(6.4%アップ)
差し引きすると、戸田市全域で4.8%、エリアによっては最大10.6%の投票率押し上げ効果(推定)。
※ 芦原小地区は集中キャンペーン実施エリア。
一方、私が知る限り最も過激で、最も有名な投票率向上キャンペーン(1969年・松戸市;選挙に行こう会①【投票率向上キャンペーンについて】参照):前回比1.7%アップ。
全ての投票率向上キャンペーンを調べたわけではありませんが、
投票率向上キャンペーンの効果としては、おそらく日本新記録ではないかと思います。
(現在、専門家に検証をお願いしています)

選挙に行こう会⑥【2つの大勝利】

今回の県議選で私は、市議会議員の中で唯一、菅原文仁さんを支持。選挙活動にも参加するつもりだったのですが、投票率向上キャンペーンに没頭したため、あまり手伝えませんでした。
仕方ないこととはいえ、少々心残りでした。
さて、いよいよ4月10日。投票日当日です。
この日は朝から菅原事務所へ行き、選管からリアルタイムで発表される投票率をにらみながら過ごしました。午前中はずっと、前回の投票率より数%低い水準で推移。
いてもたってもいられなくなり、昼過ぎから啓発活動を実施。知人にもお願いし、市内3駅で「本日は投票日です」の呼びかけを、投票終了時間の8時ぎりぎりまで実施しました。
さて、開票です。私は開票立会人(開票会場で、不正がないかチェックをする役割)でしたので、市役所の開票会場で待機。その間も、投票率がどうなったのか気が気じゃありませんでした。
そこへ顔見知りの選管職員の方が現れ、最終的な投票率が40.48%だったというのを聞き、思わず「よしっ!」と声を上げました。目標は、「県全体の投票率ダウン幅を下回る数値に抑える」、つまり数値にすれば投票率35.7%でしたので、望外の成果です。
※ (前回投票率39.9%)-(今回の県平均投票率ダウン4.2%)=35.7%
そして、開票の結果は菅原さんの大差での当選。
票数16350票は、2位の8170票の2倍以上という、歴史的大勝でした。
組織なし、利権なし、政党なし、支持する市議は酒井だけ。どうみても一番不利な条件での大勝利。今までの「当選の方程式」とは大きく異なる、一般住民の支持を集めての当選です。
また、投票率向上キャンペーンも空前の成果でした。
戸田市全体で5%、集中キャンペーンを実施した投票区では11%の投票率押し上げ効果。私の知る限り、これだけの効果がでたキャンペーンはありません。
今まで投票に行っていなかった方が投票するきっかけ、有権者の政治意識を変革するきっかけになった可能性があります。
菅原さんと酒井、お互いの活動が相乗効果を出しての結果です。
一つの仕事をやり終えた充実感と、すぐにまた次の仕事が始まる緊張を感じたのでした。

ちょっとブレイク2【キャンペーン活動の写真】

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早朝の戸田公園駅。
こんな立て看板を作って活動しました。
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北戸田駅でも活動中。
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ポスター掲示板。
なぜこんな高架下の目立たない場所に立てるのか。
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投票日はこのスペシャル看板を作り、市内3駅で活動。
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投票日は、選管からリアルタイムで発表される投票率をにらみながら過ごしました。
この10日間、自分の全てを投入して死力を尽くした活動の結果が出る時。ああドキドキする!

ちょっとブレイク【杉並区の啓発事例】

この1週間、わが師匠の選挙を杉並区でお手伝いしています。
重い連載が10回シリーズで続きますので、少々別の話題を♪
①杉並の選挙啓発
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こんな派手な宣伝カーでやっています。
これは効果ありそうですね。
これと比べると戸田市は、普通の乗用車にスピーカー。音量も絞っているようで、残念ながらよく注意して聞かないと聞き取れないほどでした。
②杉並の路上喫煙啓発
以前に駅前の路上喫煙の記事で掲載した宣伝物です。
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歩道のいたるところにこの表示があります。
これも効果ありそうです。
みんなが「歩行喫煙は条例違反なんだ」と認識している場所で、あえて歩行喫煙をするのは相当なプレッシャー。
つまり、「みんなが共通に認識していますよ」ということを効果的に宣伝できれば、歩行喫煙をする人はいなくなるわけです。
それには、できる限りインパクトある宣伝物を、できる限り多く配置することです。
路上宣伝は金額が安く、配置する場所を選ばない。つまり無尽蔵に宣伝ができるということ。実際、都内の多くの駅前で、同様のサインが大量に貼られているのを見かけます。
そして、このシンプルなデザインはインパクト大です。
戸田市でも同様の宣伝物を早く導入して頂きたいものです。
(上記の記事でヒアリングを行った際には「近日中に導入する」というコメントを頂いています)